「泥状便・水様便」が多い。下痢症状は男性に多い。
IBSとは、主にストレスが要因となって、便秘または下痢をくりかえす病気です。IBSには「下痢型IBS」、「便秘型IBS」、「混合型IBS」と、 そのいずれでもない「そのほか」の4タイプがあり、それぞれ便の形状によって分類されます。
「泥状便・水様便」が多い。下痢症状は男性に多い。
「硬い便・コロコロ便」が多い。便秘症状は女性に多い。
「泥状便・水様便」になったり、「硬い便・コロコロ便」になったりする。
どれにも
あてはまらない。
「便秘型IBS」は、便秘症状が多く出るIBSのタイプです。腹痛や腹部不快感がくりかえし出る、その症状によって排便回数や便の形状が変化する、排便によってお腹の症状が軽減するといったことなどが、IBSであるかどうかの目安になります。
一般的な慢性の便秘(機能性便秘)と便秘型IBSには重なる症状も多く、はっきりと区別することが難しい場合もあります。
一般的な便秘が高齢になるほど増加するのに対し、IBSは30代以下の若い年齢層に多くみられる傾向があり、高齢でも60代以上の男性では2.1%、女性では4.2%が便秘型IBSにあてはまると推定されています※。
※Hiroto Miwa. Patient Prefer Adherence. 2008; 2: 143-147.
「混合型IBS」は、便秘と下痢の両方が高頻度に生じるタイプです。たとえば、「3~4日お通じがなく、その後、最初に硬い便が出て、1日に数回下痢になる」といった症状は、混合型IBSの人に多くみられる症状です。
便秘型IBSと同様に、混合型IBSも、20代では男性で5.5%、女性で11.8%と若い年齢層に多いとされますが、60代以上でも男性で3.0%、女性で4.2%が混合型IBSと推定されています※1。
また、IBSは病気のタイプが移行することもあり、便秘型から腹痛のみや混合型へ、下痢型から混合型へ、混合型から下痢型へというようなケースが報告されています※2。
日常生活では、食生活の乱れや睡眠不足、昼夜逆転などが、IBSを増悪させる要因になります。そのような生活を送っている場合は、規則正しい食生活を心がけ、生活リズムの乱れを整えることで、症状の改善が期待できます。病院で医師に相談し、治療や生活指導のアドバイスを受けることも、症状改善の近道です。
※1 Hiroto Miwa. Patient Prefer Adherence. 2008; 2: 143-147.
※2 Halder SL, et al. Gastroenterology. 2007; 133: 799-807.
市販薬や下剤の種類によっては、腹痛や腹部不快感が悪化する場合があります。
腹痛や腹部不快感がある場合、まずは医師に相談しましょう。